未経験の業界へ転職

未経験でAI業界へ転職する際の難易度は?

最終更新日:2025年5月25日

目次

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  • AI業界とは?
    • AI業界の主な仕事内容は?
    • AI業界は人材不足だからやめとけ?
  • 未経験者にとってAI業界転職の難易度は高い?
  • 未経験からAI業界に入るための職種と入口
  • 未経験から身につけるべき必須スキルと学習ロードマップ
  • 転職に役立つ資格と学習リソース
    • 役立つ資格
    • おすすめの学習リソース
  • AI企業と転職先の選び方
    • 未経験者におすすめな企業タイプ
  • 転職活動での自己アピールポイント
  • 未経験転職でAI業界は難しいがチャレンジする価値がある

人工知能(AI)技術の急速な発展に伴い、AI業界は大きな注目を集めています。高収入であることや将来性から、多くの方がAI分野への転職を検討しているのではないでしょうか。しかし、「未経験からAI業界に転職するのは難しいのでは?」と不安に感じている方も多いと思います。この記事では、未経験からAI業界へ転職する際の難易度と、成功するための具体的なアプローチを解説します。

AI業界とは?

AI業界への未経験転職について紹介する前に、AI業界がどんなもので、業界全体の状況がどうなっているのかを確認していきましょう。

AI業界の主な仕事内容は?

AI業界の仕事内容は多岐に渡りますが大きく分けると技術職と非技術職の2つになります。

技術職

  • 機械学習エンジニア: AIモデルの設計、開発、実装を行います
  • 自然言語処理(NLP)専門家:言語データの分析、処理、理解を行います。
  • コンピュータビジョン研究者:開発者: 画像や映像データの解析と理解を行うAIを開発します。
  • データサイエンティスト:大量のデータを分析し、ビジネスに役立つ洞察や予測を導き出します。

非技術職

  • AIプロダクトマネージャー: AIプロダクトの企画、開発、リリースを管理します。
  • AIソリューションコンサルタント:顧客の課題解決のためにAIソリューションを提案、導入します。
  • AIプロダクトの営業職・カスタマーサクセス:AIツールやサービスを販売し、顧客の成功を支援します。
  • データアノテーター(データラベリング担当):AIの学習データを整備します。
  • AIプロジェクトのプロジェクトマネージャー:AIプロジェクトの進行管理を行います。
  • AI関連スタートアップの管理部門: 経理や人事などの管理業務を行います。

これらの職種は互いに連携し、AI技術の開発と活用を推進しています。

AI業界は人材不足だからやめとけ?

AI業界は現在、世界中で急速に成長しており、日本でも人材不足が顕著になっています。ある調査によると、日本国内でAIに関する需要が現状と同程度で伸び続けた場合、AI人材は最大14.5万人不足すると試算されています。

みなさんもご存知の通り今や大企業からスタートアップまで、多くの企業がAI技術の導入や開発に取り組んでおり、専門人材の需要は高まる一方です。特に以下の分野での需要増加が顕著です。

  • 機械学習エンジニア
  • 自然言語処理(NLP)専門家
  • コンピュータビジョン研究者・開発者
  • AIプロダクトマネージャー
  • AIソリューションコンサルタント

この人材不足は、未経験者にとってチャンスです。多くの企業が人材育成に投資する姿勢を見せており、ポテンシャルがあれば未経験者でも採用する傾向が強まっています。ただし、完全な知識ゼロからハイレベルなAI開発職に就くのは難しいのが現実です。

また、人手不足な企業に入社してしまうと一人一人の業務量が多く、過度な残業せざるをえない状況になる可能性が高いため、転職先選びは慎重に行いましょう。

参考:みずほ情報総研株式会社- IT 人材需給に関する調査 - 調査報告書

未経験者にとってAI業界転職の難易度は高い?

AI業界への転職難易度は、あなたのバックグラウンドや目指す職種によって大きく異なります。一般的には、以下のように分類できます。

比較的挑戦しやすい(難易度:中)

  • プログラミング経験者(特にPython)
  • データ分析の経験がある人
  • 数学・統計学を学んだ人(大学レベル)
  • ITエンジニアからの転向

やや難しい(難易度:中〜高)

  • 理系出身で、プログラミング経験が浅い人
  • 関連知識はあるが実務経験がない人
  • 他業種での分析業務経験者

かなり難しい(難易度:高)

  • 文系出身でプログラミング経験がない人
  • 数学・統計の基礎知識がない人
  • ITと全く関係のない業界からの転職者

難易度が高いからといって諦める必要はありません。適切な学習とキャリア戦略により、段階的にAI業界へ参入することは十分に可能です。多くの現役AI技術者も、最初から専門家だったわけではなく、自己学習や実務を通じてスキルを磨いてきました。「かなり難しい」とされるITと全く関係のない業界からの転職者の方は、最初からAI業界ではなく、関連スキルが多くあるIT業界などから転職するのも有効な方法をひとつとなるのでおすすめです。

下記の記事では、未経験でIT業界に転職する難易度について詳しく解説しています。より詳しく知りたいという方はぜひ、参考にしてください。

関連記事:未経験でIT業界へ転職する際の難易度とは?

なお、AI業界への転職が人気な理由に高収入であることが挙げられます。ただし、AI業界で高収入を実現するにはスキルの取得と実務経験が欠かせず、時間がかかります。すぐに高収入を叶えたい方向けにおすすめな他の職種も知りたい場合は未経験に特化した転職エージェント「BOLEROエージェント」で一度具体的な求人をチェックしてみてはいかがでしょうか?

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未経験からAI業界に入るための職種と入口

AI業界といっても様々な職種があり、必ずしも最初から高度な技術職を目指す必要はありません。むしろ、以下のような「入口」となる職種から始めるのが転職難易度も低く現実的です。

  1. AIプロダクトの営業職・カスタマーサクセス AIツールやサービスを販売する営業職は、技術的なハードルが比較的低く、業界知識を身につける良い機会になります。
  2. データアノテーター(データラベリング担当): AIの学習データを整備する役割で、現場でAIの基礎を学びながら働けます。
  3. AIプロジェクトのプロジェクトマネージャーマネジメント経験がある方は、AIプロジェクトのマネジメントから参入する方法もあります。
  4. AI関連スタートアップの管理部門: 経理や人事などの管理部門から入社し、社内でAI知識を身につけていく方法もあります。
  5. データアナリスト: データの収集・分析・可視化を担当する職種で、AI開発よりも参入障壁が低いです。

まずはこれらの職種からAI業界に参入し、社内での学習機会を活用しながらAIエンジニアやデータサイエンティストへとキャリアアップしていくのも未経験者の転職戦略のひとつです。

未経験から身につけるべき必須スキルと学習ロードマップ

AI業界で働くために必要なスキルは多岐にわたりますが、未経験者が最初に身につけるべき基本スキルは以下の通りです:

  1. プログラミング言語(Python)AI開発の標準言語であるPythonは必須です。基本構文から始め、NumPy、Pandas、scikit-learnなどのライブラリを段階的に学びましょう。
  2. 数学の基礎: 線形代数、微積分、確率・統計の基礎知識は、機械学習のアルゴリズムを理解するために重要です。
  3. 機械学習の基礎概念: 機会学習などの基本的な考え方とアルゴリズムを学びましょう。
  4. データ前処理のスキル: 実際のAI開発では、データの収集・クレンジング・加工が重要な作業です。SQLやデータ可視化のスキルも役立ちます。

学習ロードマップとしては、以下の順序がおすすめです。

① Pythonの基礎(2-3ヶ月) ② データ分析の基礎とライブラリ(1-2ヶ月) ③ 機械学習の基礎(3-4ヶ月) ④ ディープラーニングの基礎(2-3ヶ月) ⑤ 専門分野(NLP、コンピュータビジョンなど)の深掘り(3-6ヶ月)

AI開発者としては独学も可能ですが、オンラインコースやAI専門のブートキャンプを活用すると、効率的に学習できます。また、実際のデータセットで分析や予測モデルを作成するなど、実践的なプロジェクト経験を積むことも重要です。

転職に役立つ資格と学習リソース

AI業界への転職を有利に進めるための資格と、おすすめの学習リソースをご紹介します。

役立つ資格

  1. G検定(ジェネラリスト検定)AI・ディープラーニングの基礎知識を問う入門レベルの資格です。
  2. E資格(エンジニア資格): ディープラーニングを実装できるエンジニア向けの、より実践的な資格です。
  3. AWS Machine Learning Specialty クラウド環境でのAI開発スキルを証明できる資格です。
  4. TensorFlow Developer Certificate: Googleが提供するTensorFlowフレームワークの実装スキルを証明します。

おすすめの学習リソース

  1. オンラインコース
    Coursera「Machine Learning」(Andrew Ng講師)
    Udemy「Python for Data Science and Machine Learning Bootcamp」
    fast.ai「Practical Deep Learning for Coders」
  2. 書籍
    『ゼロから作るDeep Learning』(斎藤康毅著)
    『Pythonによる機械学習入門』(Andreas C. Müller, Sarah Guido著)
  3. コミュニティ
    Kaggle(データ分析コンペティション)
    GitHub(オープンソースプロジェクト)
    AI関連のMeetupやイベント

資格取得は必須ではありませんが、特に未経験者の場合、学習の指針になるだけでなく、採用担当者にスキルと学習意欲をアピールする材料になります。また、コミュニティへの参加は、最新トレンドのキャッチアップや人脈形成に役立ちます。

AI企業と転職先の選び方

未経験からAI業界に転職する際、どのような企業を選ぶべきでしょうか。以下のポイントを参考にしてください。

未経験者におすすめな企業タイプ

  1. AI人材育成に積極的な大手企業 社内教育制度が充実しており、未経験者でも成長しやすい環境があります。
  2. AI導入を進める従来型企業: 金融、製造、小売などの従来型企業でも、AI活用を推進するチームがあります。業界知識を活かしやすいでしょう。
  3. 成長中のAIスタートアップ 経験よりもポテンシャルや学習意欲を重視する傾向があり、実践的な経験を積めます。
  4. AI開発支援・コンサルティング企業: 様々な案件に携わりながら幅広いスキルを身につけられます。

特に未経験からの転職では、給与や待遇よりも「成長環境」を重視することをおすすめします。経験を積んでスキルアップすれば、その後のキャリアでより良い条件を獲得できるからです。

転職活動での自己アピールポイント

未経験からAI業界へ転職する際、どのようにして自分をアピールすれば良いのでしょうか。効果的な自己アピール戦略をご紹介します。

  1. ポートフォリオの作成GitHubなどで公開している機械学習プロジェクトや分析結果は、実力を示す証拠になります。簡単なものからでも良いので、実際にコードを書いて公開しておきましょう。
  2. Kaggle実績のアピール: データサイエンスコンペティションサイト「Kaggle」での活動実績は、実践的なスキルの証明になります。
  3. トランスファラブルスキルの強調: 前職で培ったスキルの中で、AI業界でも活かせるものを具体的にアピールしましょう。

例えば以下のような能力が挙げられます。

  • 論理的思考力
  • 問題解決能力
  • プロジェクト管理能力
  • チームワーク
  • 業界知識(金融、医療、小売など)
  1. 学習への取り組み姿勢: 独学やオンラインコースの修了証、資格取得などを通じて、積極的な学習姿勢をアピールしましょう。
  2. AIへの情熱と将来ビジョンなぜAI業界に興味を持ったのか、どのようにキャリアを構築していきたいのかという明確なビジョンを伝えることも重要です。

履歴書やポートフォリオは、技術スキルだけでなく「なぜAIなのか」「どう貢献できるか」という点も意識して作成しましょう。完璧な技術力がなくても、学習意欲と適性をアピールできれば、チャンスは広がります。

未経験転職でAI業界は難しいがチャレンジする価値がある

未経験からAI業界への転職は容易ではありませんが、決して不可能ではありません。むしろ、人材不足が続く成長産業だからこそ、チャレンジする価値があると言えるでしょう。AI技術は今後も社会のあらゆる分野に浸透していきます。その最前線で働くことは、大変なチャレンジである一方、大きなやりがいと成長機会をもたらしてくれるでしょう。。