未経験の業界へ転職

未経験でPR・広報業界へ転職する際の難易度は?

最終更新日:2025年6月30日

目次

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  • PR・広報業界とは?
    • PR・広報業界の具体的な仕事内容
    • PR・広報業界の現状と市場動向
  • 未経験者にとってのPR・広報業界の難易度
    • 未経験からPR・広報業界への転職が難しいと言われる理由
    • 未経験者でもPR・広報業界への転職は不可能ではない
  • PR・広報業界で求められるスキルと適性
    • コミュニケーション能力
    • ライティングスキル
    • メディアリテラシー
  • 未経験からPR・広報業界へ転職するための6ステップ
    • ステップ1:業界の基礎知識を習得する
    • ステップ2:実践的なスキルを身につける
    • ステップ3:実務経験を積む方法を探る
    • ステップ4:業界とのつながりを作る
    • ステップ5:資格取得を検討する
    • ステップ6:転職エージェントを活用して転職する
  • 未経験からPR・広報業界へ転職成功した事例
    • 事例1:営業職からPRコンサルタントへ(32歳男性)
    • 事例2:Web編集者からデジタルPR担当へ(28歳女性)
    • 事例3:接客業からPRアシスタントへ(26歳女性)
    • 事例4:教師から企業広報担当へ(35歳男性)
  • PR・広報業界は対策をしっかりしておけば十分に転職可能

企業や団体のイメージ構築や情報発信を担当するPR・広報の仕事。メディアとの関係構築やプレスリリースの作成、SNS運用など、多岐にわたる業務を果たします。

コミュニケーション能力を活かした仕事がしたい、情報発信を通じて社会に貢献したいという思いから、未経験でもこの業界への転職を検討する方は少なくありません。しかし、実際のところ、未経験からPR・広報業界へ転職することはどの程度難しいのでしょうか。本記事では、その難易度や必要なスキル、成功のためのアプローチについて解説します。

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PR・広報業界とは?

PR・広報業界への未経験転職についてご紹介する前に、PR・広報業界がどんなもので、業界全体の現状はどうなっているのかを確認していきましょう。

PR・広報業界の具体的な仕事内容

広報・PR業界の仕事内容は多岐にわたり、企業の顔として社会との良好な関係を築き、ブランドイメージを高める重要な役割を担っています。広報・PRの仕事は、企業のブランドイメージ向上と社会との信頼関係構築に不可欠であり、高いコミュニケーション能力、情報発信力、企画力、危機管理能力などが求められます。具体的な仕事内容は以下の通りです。

仕事内容詳細
メディアリレーションズ新聞社、テレビ局、雑誌社などのメディアとの関係構築、情報提供、取材対応などを行います。
プレスリリース作成・配信新商品やイベントなどの情報をプレスリリースとして作成し、メディアに配信します。
記者会見・発表会企画・運営新商品発表会や記者会見などの企画・運営を行います。
イベント企画・運営消費者向けイベントや展示会などの企画・運営を行います。
SNS運用企業のSNSアカウントを運用し、情報発信や顧客とのコミュニケーションを行います。
オウンドメディア運営自社ウェブサイトやブログなどのオウンドメディアを運営し、情報発信を行います。
社内広報社内報や社内イベントなどを通じて、社員間のコミュニケーションを促進します。
危機管理広報不祥事や災害発生時など、緊急時の情報発信や対応を行います。
インフルエンサーマーケティングインフルエンサーと連携し、商品やサービスのPRを行います。

PR・広報業界の現状と市場動向

PR・広報業界は近年、大きな変化を遂げています。従来のメディアリレーションやプレスリリース配信といった業務に加え、SNSを活用したダイレクトコミュニケーション、オウンドメディア運営、インフルエンサーマーケティングなど、活動領域が大きく広がっています。また、企業のレピュテーション(評判)管理やESG経営の重要性が高まる中、広報部門の経営における役割も拡大しています。

PR会社協会の調査によれば、PR業界の市場規模は年々拡大傾向にあり、特にデジタルPRの分野での成長が著しいとされています。自社で広報部門を持つ企業も増加しており、広報人材の需要は堅調に推移しています。

業界構造としては、大きく分けて「PR会社(PRエージェンシー)」と企業や団体の「広報部門」の二つの就職先があります。PR会社は複数のクライアントのPR活動を支援するのに対し、企業の広報部門は自社のPR活動に専念します。それぞれに特徴があり、求められるスキルセットにも若干の違いがあります。

デジタル化の進展に伴い、データ分析やコンテンツ制作など、従来の広報の枠を超えたスキルを持つ人材の需要も高まっており、未経験者にとってもチャンスが生まれています。

未経験者にとってのPR・広報業界の難易度

結論からお伝えすると、未経験からPR・広報業界への転職はかなり難しいと言えるでしょう。未経験からの挑戦は完全に門戸が閉ざされているわけではありませんが、一定の程度の努力と準備は必ず必要です。

未経験からPR・広報業界への転職が難しいと言われる理由

未経験からPR・広報業界へ転職したいと転職活動を始めたとしても簡単に企業の広報に関わることができるとは限りません。PR・広報業界の転職では、メディアリテラシーの必要性やコミュニケーション能力の重視などが転職難易度を高くしている主な理由となっており、未経験者にとっては中々に難しいといえるでしょう。

また、PR・広報業界は競争率が高く、新卒就活で求人倍率がかなり高い企業もあります。中途市場においても会社の顔、花形職種というイメージから人気が高く、未経験から転職を希望する人も少なくありません。これらの競争率の高さは、未経験からPR・広報業界への転職が難しいと言われる大きな理由と言えるでしょう。

未経験者でもPR・広報業界への転職は不可能ではない

これまで転職が難しいと言われる理由を解説しましたが、未経験からのPR・広報業界への転職は「難しい」だけであって不可能ではありません。以下の4つの理由から未経験者でもPR・広報業界への転職は可能であるといえます。

  1. 多様なバックグラウンドの評価: PR・広報は多様な視点が重要であり、異業種からの転職者ならではの視点が評価されることがあります。
  2. デジタルスキルの需要: SNS運用やデジタルコンテンツ制作など、デジタル領域のスキルを持つ人材への需要が高まっています。
  3. スペシャリストからの転身: 特定業界の知識を持つ専門家が、その業界のPR担当として重宝されるケースもあります。
  4. 中小企業やスタートアップの機会: 大手企業に比べ、中小企業やスタートアップでは未経験者の採用にもオープンな傾向があります。

PR・広報業界への転職難易度は、目指す企業規模や職種、自身のバックグラウンドによっても大きく異なります。自分の強みを活かせる領域を見極めることが重要です。

PR・広報業界で求められるスキルと適性

PR・広報業界で求められる主なスキルと適性は以下の通りです。すべてを最初から持っている必要はありませんが、いくつかの強みを持ち、他の領域を学ぶ意欲があることが重要です。

コミュニケーション能力

コミュニケーション能力はPR・広報業界で最も基本的かつ重要なスキルです。広報として、社内外の様々な人と効果的にコミュニケーションを取るために下記のような能力が求められます。

  • 明確かつ簡潔に情報を伝える能力
  • 相手の立場や視点を理解する共感力
  • 円滑な人間関係を構築する力

ライティングスキル

PR・広報の仕事の多くは文章作成に関わるため、高いライティングスキルが必要です。特にプレスリリースの作成能力は重要視され、文章を作る能力が高い人にはおすすめの職種です。具体的には下記に関わるライティングスキルがあるとよいでしょう。

  • プレスリリースの作成能力
  • Webサイトやブログの記事作成能力
  • SNS向けの簡潔な文章作成能力
  • 企画書・提案書の作成能力

メディアリテラシー

PR・広報には、メディアの特性を理解し、適切に情報を発信・管理する能力が重要です。特にメディアリテラシーは、近年のインターネット上では注意を払わなければいけなく、炎上リスクやコンプラ対策などあらゆるスキルを身に着ける必要があります。下記の知識を身に着けていることが大切です。

  • 各種メディアの特性理解
  • ニュース価値の判断力
  • メディアの動向を把握する力
  • リスクコミュニケーション能力

特に未経験者の場合、これらすべてのスキルを持っている必要はありませんが、強みとなるスキルを持ち、足りない部分を学ぶ意欲を示すことが重要です。

未経験からPR・広報業界へ転職するための6ステップ

未経験からPR・広報業界への転職を目指す場合、以下のようなステップで準備を進めるとよいでしょう。

ステップ1:業界の基礎知識を習得する

まずはPR・広報業界の全体像と基本的な知識を理解しましょう。

  • PR・広報関連の書籍や専門誌を読む
  • 業界団体(日本PR協会など)のウェブサイトで情報収集する
  • 業界セミナーやウェビナーに参加する
  • 企業の広報担当者やPR会社の社員のブログやSNSをフォローする

ステップ2:実践的なスキルを身につける

PR・広報の実務で必要なスキルを磨きましょう。

  • ライティングスキルを磨く(プレスリリースの書き方、Web記事の作成など)
  • SNS運用の基本を学ぶ(企業アカウントの運用事例研究など)
  • メディアの特性を理解する(各メディアの違いやターゲット層の研究)
  • プレゼンテーションスキルを向上させる

オンライン講座や実践的なワークショップを活用すると効果的です。

ステップ3:実務経験を積む方法を探る

可能であれば、転職前に何らかの形でPR・広報関連の実務経験を積みましょう。

  • 現職でPR・広報関連の業務を担当させてもらう
  • 副業やフリーランスでPR・広報関連の仕事を請け負う
  • NPOや地域団体の広報ボランティアを行う
  • 個人ブログやSNSで情報発信を実践し、運用スキルを磨く

実績があれば、転職活動での大きなアピールポイントになります。

ステップ4:業界とのつながりを作る

PR・広報業界の人脈を広げ、業界の内情や求人情報を得る機会を作りましょう。

  • 業界イベントやセミナーに積極的に参加する
  • PR・広報関連のコミュニティに参加する
  • SNSで業界人とつながる
  • 可能であれば、業界人にキャリア相談をする

人脈は転職活動だけでなく、入社後のキャリア形成にも役立ちます。

ステップ5:資格取得を検討する

必須ではありませんが、意欲や基礎知識の証明になる資格取得も検討しましょう。

  • PR プランナー資格
  • マーケティング・ビジネス実務検定
  • ウェブ解析士
  • SNSマーケティング検定

資格よりも実務能力が重視される業界ですが、未経験者の場合は資格取得も学習意欲のアピールになります。

ステップ6:転職エージェントを活用して転職する

PR・広報業界に限らず未経験の業界に転職する場合、「転職エージェント」を上手く活用することで数段、難易度が下がる場合もあります。

多くの転職エージェントは無料で利用することができ、自分に合った求人の紹介から履歴書の添削・面接対策・推薦による後押しなど様々なサービスを受けることができます。求人が多すぎて何をどういう基準で選べばいいかわからない、何回挑戦しても書類選考さえ通過しない、面接が苦手…そんな方はぜひエージェントを利用してみましょう。

転職エージェントは無料でサービスを受けられますし、PR・広報業界以外にも興味があるのなら同時に別業界の求人を紹介して貰える場合もあります。また、あなたの経験や価値観に基づいた適職の提案や転職成功までのアドバイスで転職成功率を格段に上げることができます。

PR・広報業界に未経験から転職するのが不安な方は、未経験業界や未経験職種への転職支援を得意とする「未経験転職ドットコム」を運営している 「ボレロキャリア」 への相談をしてみてください。

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未経験からPR・広報業界へ転職成功した事例

実際に未経験からPR・広報業界への転職に成功した方々の事例を紹介します。

事例1:営業職からPRコンサルタントへ(32歳男性)

ITサービス企業の法人営業として6年勤務後、中堅PR会社のコンサルタントに転職。前職での提案型営業の経験とプレゼンテーション能力が評価されました。転職前の1年間、PR業界の基礎知識を独学で学び、副業でスタートアップの広報支援も行っていました。面接では「営業で培った関係構築力とIT業界の知識をPRに活かしたい」という熱意をアピール。入社後はIT企業のクライアントを中心に担当し、業界知識を活かして早期に成果を上げています。

事例2:Web編集者からデジタルPR担当へ(28歳女性)

Webメディアの編集者として4年勤務後、大手企業のデジタルPR担当に転職。記事制作やSNS運用のスキルが評価されました。転職前からPRの基礎を学び、個人ブログでの情報発信も積極的に行っていました。「読者視点でのコンテンツ制作経験を企業広報に活かしたい」という動機が評価され、採用に至りました。現在は企業のオウンドメディア運営とSNS戦略を担当し、編集経験を活かしたコンテンツづくりで成果を上げています。

事例3:接客業からPRアシスタントへ(26歳女性)

高級ホテルのコンシェルジュとして3年勤務後、PR会社のアシスタント職に転職。接客で培ったホスピタリティとコミュニケーション能力が評価されました。もともとPRに興味があり、独学で業界知識を学んでいたことに加え、ホテル勤務時代にプレスリリースの作成をサポートした経験もアピールポイントとなりました。入社後はアシスタント業務を通じてPRの実務を学び、1年後には小規模なプロジェクトを任されるようになっています。

事例4:教師から企業広報担当へ(35歳男性)

中学校の社会科教師として8年勤務後、中堅メーカーの広報担当に転職。説明力とコミュニケーション能力が評価されました。教師時代に学校広報誌の編集を担当していたことや、地域イベントの企画・運営経験をアピール。また、転職活動中にPR基礎講座を受講し、業界知識も習得していました。「教育現場で培った、「わかりやすく伝える力」を企業広報に活かしたい」という熱意が評価され、採用。現在は主に工場見学対応やCSR活動の広報を担当しています。

これらの事例から、成功のポイントとして以下のことが挙げられます:

  1. 前職のスキルや経験をPR・広報の文脈で再定義し、明確にアピールした
  2. 業界の基礎知識を自主的に学習した
  3. 副業やボランティアなどで実践的な経験を積んだ
  4. 明確なキャリアビジョンと熱意を持っていた

PR・広報業界は対策をしっかりしておけば十分に転職可能

PR・広報業界に未経験から転職するのは簡単ではありませんが、準備と戦略次第で十分に可能性があることがわかります。

事例で挙げたように適切な準備と戦略があれば道は開けるでしょう。自分の強みを活かし、足りない部分は積極的に学ぶ姿勢で、一歩ずつ目標に近づいていきましょう。

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